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面接前の準備と、面接を成功させるためのコツ

*当記事は弊社スタッフがMyanmar Express様(http://myanmar-express.com/)に寄稿しているHRコラムを再編集したものです。

 

今回は、ミャンマーで候補者と面接する際に気を付けたいポイントを説明します。

 

特にミャンマーではどのような接し方をすると、候補者とより良い関係を築けるのか、適切な判断ができるのかという点や、どのように面接を進めれば良いかについて説明します。

 

 

まず第一に、ミャンマーにおいても候補者は「企業様や面接官の方をしっかりみている」という事実を念頭に面接頂くことが大切です。これは優秀な人材であればあるほどこの傾向が強く、面接官の方や企業側のスタンスを敏感に感じ取っているように思います。

 

残念なことですが、ミャンマーが経済的に東南アジア最後発ということもあってか、稀にミャンマー人を少し下にみるような方を見かけることがあります。面接後に候補者から「ミャンマーの悪口や見下した発言があった。オファーがあっても働きたくない」という感想があがることも何度かありました。

確かに日本の水準からみると社会インフラから専門知識、仕事に対する姿勢まで、足りないと思うことはいくらでもありますが、良い人材を探す会社様と良い仕事を探す求職者側は、日本と同じように対等の関係であり、互いに敬意を持って接するという姿勢は、良い人材を獲得する上で非常に大切だと日々感じています。

 

二番目のポイントとして、できるだけリラックスし、「気さくに話すことができる雰囲気を面接の序盤に作ること」でが大切です。

ミャンマー人の特性として、一歩ひいてコミュニケーションするという特性があります。特に年配の方、目上の方、外国人に対しては、緊張や気おくれがつきものですので、率直で効果的な面接を行うために、冒頭のアイスブレークでリラックスした雰囲気を作りたいところです。もちろん日本で俗にいう「圧迫面接」は逆効果となり、その人となりを知ることができなくなってしまいます。事前に履歴書に目を通しておき、求職者と打ち解けるような話題や質問を用意しておくとよいでしょう。そうすることで、良くも悪くも求職者の素の部分が引き出され、適切な採用判断を行いやすくなります。

 

面接を行う前に大切な最後のポイントは、予め面接への準備を整えておくことです。

具体的には面接で明らかにしたい項目を整理し、それらを質問に落とし込んでおくと効果的です。日本で勤務していた時には採用業務に関わったことがなく、海外で初めて社員の採用に携わった、というケースは案外多いものです。ついつい忙しい中でぶっつけ本番で面談に臨み、なんとなく採用するという流れに陥りがちですが、やはり人材の採用は事業の成功の根幹を支える要因ですから、少なくともどのような人材を探しているのか(人材イメージ)を明確にしておく必要があります。そして、その人材イメージを元にどのような経験、知識、スキル、人格が必要なのか(人材の要件定義)を書き出し、それぞれに対してどのような質問(やテスト)で判断するのかを面接の事前準備として用意しておくことで、候補者が複数いる場合であっても、適切な判断ができるでしょう。

 

このように、ミャンマーであっても日本と同様に求職者に敬意を持って接し、リラックスして素直に思っていることを言える雰囲気を作った上で、しっかりと準備してきた質問を一つ一つ聞いていくことができれば、数多くの候補者を面談する場合でも、ある程度はっきりとした基準を元に、適切な採用判断を行うことができる可能性が高まると言えます。

 

 

続いて、面接の中で使えるコツをご紹介します。これは実際に弊社の採用でも実施している内容です。

 

面接のコツ①:Whyで聞く

まず第一のコツは、事前に準備した項目に沿って質問していく中で、相手の価値観や志向性がよく出るポイントについては、徹底的に掘り下げて聞くことです。この際できる限りYes/Noで答える質問ではなく、5W1H(Why, What, When, Where, Who, How)で始まる質問が効果的です。

 

これによって、候補者の価値観に加え、どの程度論理的に思考し、回答できるのかを測ることができますし、質問に対して回答がズレていないか、「Why?」に対して「Because~」で回答を始めることができているか、などを見抜くことできます。参考までに、下記に弊社でどのような質問を尋ねているのかを記しておきます。

特に理由を問う「Why Question」は重要と考え、候補者の質問に対して、最低でも3度は「Why?」と聞き返すことにしています。

 

 Why did you choose to work for the company?

 Why did you quit the company? Why do you want to quit the company?

 Why do you think that you cannot grow up in the current company?

 Why did you decide to work in Singapore?

 Why do you want to work as Sales & Marketing field?

 

率直なところ、ミャンマーでは論理思考を鍛える教育はほとんどなされず、社会人になってからもそのような環境はほとんどありませんので、質問に対して回答がズレたり、非常に浅い回答が返ってくることが一般的です。よって望む回答が得られないことを前提として、その中でも面接する候補者の中から、比較的論理的に考えることができる、素質のある人材を選んで頂くことが重要だと考えています。

 

 

面接のコツ②:既存スタッフを採用プロセスに巻き込む

二つ目のポイントは、直属の上司だけではなく、採用後に直接指導するシニア・スタッフなども採用プロセスに巻き込むことです。

これによって候補者の入社前後の不安が格段に低くなり、入社直後の退職抑止として非常に有効です。さらに直属の上司やシニア・スタッフも「自分が選んだ」という意識が芽生え、候補者の入社後のフォローや指導に責任感が生まれ、それが新しいスタッフの長期的な勤務に繋がっていきます。採用プロセスに少し多くの社員を巻き込むと、新入社員と受入れ社員双方に「安心感」、「納得感」、「責任感」が生まれ、その後の組織マネジメントの至るところで良い影響を与えてくれます。

 

 

面接のコツ③:トレーナー予定者に採用意図を説明する

最後に、採用プロセスは、自社の組織構造や構成メンバーによって柔軟に組み替える必要がありますが、弊社自身の例をご紹介します。新たな求人ポジションが生まれると、入社後にトレーナーとなる人材を先に指名し、採用の目的と意図を説明します。「君がトレーナーになる。人材要件は…」と伝えた上で、一次面接をこのトレーナー予定者に任せています。

 

二次面接は私が直接行いますが、自分が選んだ候補者の採用が決まったときは、自分が認められたという実感にも繋がり、入社後にしっかりと責任と自覚をもって指導に当たってくれています。一方、不採用の場合でも、その理由をトレーナー予定者にしっかりとフィードバックすることで、自分の組織がどのような人材を求めているのか、どのような人材が評価されるのかをメンバーに伝える場となり、組織文化の浸透に大きな効果を発揮していると感じています。

 

 

 

今回は面接についてのポイントをまとめました。少しでも参考になれば幸いです。

次回は、劇的に退職率を下げることに成功したこの組織文化を組み込んだ採用プロセスをご紹介します。